rmt.la

Diablo IIIの操作性はマウスで変わるか。SteelSeriesの「Diablo III Mouse」とRazerの「Naga Hex」ファーストインプレッション

日付:2012-06-05 20:18:49    アクセス回数:1290次

「Diablo III」の発売で,PCゲーム業界は沸き立っている。(現時点で公式には否定されているものの)アカウントハックが生じているという話があったり,オークションシステムに賛否両論が集まっていたりと,必ずしも順風満帆な船出ではないものの,発売週の売り上げが630万本というのは,やはり大きな数字だ。実際,筆者の周囲にもプレイヤーは多い。

 そんなDiablo IIIとSteelSeriesはコラボレーションを行っており,実際,「SteelSeries Diablo III Mouse」(以下,Diablo III Mouse)という,そのものズバリなタイアップ製品を投入してきている。また,Razerも,サイドボタン12個搭載のMMOゲーム向けマウス「Razer Naga」をベースとしながら,MOBA(Massively Online Battle Arena,いわゆるDotA系)とアクションRPG向けにサイドボタン配置をブラッシュアップした「Razer Naga Hex」を投入してきており,一般的なFPS用マウスではないこれらを使うと何が違うのか,興味を持っている読者も多いのではなかろうか。

 そこで今回は,これら,Diablo III向けと言っていい2製品を入手し,実際に使ってみた印象を,ファーストインプレッションとしてお届けしてみたいと考えている。製品概要はそれぞれの製品紹介記事をチェックしてもらえれば幸いだ。

→Diablo III Mouse紹介記事
→Naga Hex紹介記事

 なお,筆者のDiablo III進行度はお世辞にも早いとは言えないレベルで,難度「Nightmare」の「Act.4」にようやく到達した程度である。その点は予備情報としてお知らせしておきたい。


SteelSeries Diablo III Mouse

 さて,まずはDiablo III Mouseからだが,基本的な形状は「SteelSeries Sensei」を踏襲した印象と述べていいだろう。センサーユニットのスペックはほとんど公開されていないながらも,Avago Technologies製のレーザーセンサーが採用される点と,トラッキング解像度を100~5700CPIの範囲で切り替え可能という点は明らかになっている。

 さっそく,SteelSeries製品専用のカスタマイズツール「SteelSeries Engine」(以下,Engine)をインストールすると,Diablo IIIのロゴやフォントを惜しげもなく使った専用ユーザーインタフェースでEngineが起動した。このあたりはさすがに公式コラボマウスといったところだ。

なお,Diablo III Mouseにはマウスとしてのデフォルト設定とDiablo III用設定とが,「Diablo III Default」「Diablo III Advanced」というプロファイルであらかじめ用意されている。マウスをデスクトップで用いるのに適した標準プロファイルの名称がDiablo III Defaultなのは分かりづらいが,これはコラボマウスというところでやむなしか。
 筆者のようにボタン配置などプロファイルをカスタマイズした場合は,ENGINEの「Properties」タブ機能から,自分で用意したカスタムプロファイルがDiablo III起動時に選択されるよう設定しておくといいだろう。指定したタイトルが起動していないときは自動的にDiablo III Defaultプロファイルに戻るので,ここは設定をお勧めしておきたい。

……納得のいくボタン配置を行ったうえで,再びDiabloの待つ世界へと出向いたのだが,今度は右側面のサイドボタンが押しにくいことに気づいた。左右対称形状のマウスを右手で握ったときに,本体向かって右側のサイドボタンを押すという経験がほとんどなかったのと,そもそも親指と薬指では使い勝手が異なることもあって,慣れるのは大変だ。
 いまのところは,サイドボタン上に小指と薬指を軽く乗せるという,変則的な指の置き方をしているが,ゲームに集中して力んだ瞬間に誤爆することが多いため,右サイドボタンの無効化も含めて模索中といったところである。


Razer Naga Hex


Razerのマウスでおなじみとなった「メインボタンの凹み」はNaga Hexにもある。指を配置しやすい

サイドには6ボタンが並ぶ。個人的には時計回りに並んで欲しかったが,中央の突起よりも下の二つが[1][4]で,奥側は時計回り,手前側は反時計回りの配置となっている。中央の突起は,キーボードのホームポジションと同様の意味合いを持つもので,付属品を使えば背の低いものへ変更することも可能

背面にあるスイッチから,メインキーボード側とテンキー側,どちらの数字キーに割り当てるかを選択できる
 Razer Nagaシリーズ最大の特徴だった「左サイドの12ボタン」を再編し,「Hex」という名のとおり,六角形のボタンを6個,左サイドでリング状に配置してきたNaga Hex。Diablo III Mouseと同様,本製品も搭載されるセンサーのスペックはあまり明らかになっていないが,確認したところ,トラッキング解像度は100~5600DPIの範囲を設定可能で,ポーリングレート(レポートレート)は125/500/1000Hzからの選択式となっていた。

 リング状に配置されたボタンには逆S字型に1~6の番号が振られ,これがそのままキーボード上の1~6キーと対応している。数字キーに魔法や剣術などといったスキルが割り振られているハック&スラッシュ系タイトルやDotA系タイトルとの親和性を狙っているわけだ。
 ちなみに,本体底面側にはスライドスイッチが用意され,メインキーボード側の数字キーとテンキーユニット,どちらに対応させるかを選択できるようになっている。

 使い勝手のほうだが,端的に述べると「慣れるまでが修行」。6方向に散ったボタンのどれがどの数字と対応しているのかの把握が非常に難しく,クリティカルでもなんでもない状況でデーモンに囲まれては袋だたきにされ,十字架へと姿を変える“事件”が多発するという状況だ。

 にっちもさっちもいかないので,難度設定をNightmareからNormalへ変更し,ボタン配置に慣れるべく試行錯誤を繰り返すことにしたが,連続して4時間もプレイしていると,操作ミスはかなり少なくなってきた。そして,操作ミスが少なくなって,思いどおりにボタンを押し分けられるようになると,基本的な操作が右手のみで完結するため,左手で頬杖をつきながら戦えるようにすらなる。

そんなところで再びNightmareに戻すと,右手だけでサクサク動かせる。この操作感は気持ち良さすらあるのだが,今度は,体力が削られてきたときに,ポーションを飲むため,左手でキーボードを操作する必要が出てきた。
 いろいろと試行錯誤の結果,現状では,マウスでキャラクターの操作と戦闘,スキル使用を行い,左手はキーボードに置いて,右手では対応しきれない事態に備えるといったところになっている。「6個もサイドボタンがあるのだから,[5]とか[6]のボタンにポーションを振ればいいのでは?」という疑問はもっともだが,激しい戦闘中は右手がプライマリとセカンダリの攻撃,さらにスキル使用と手一杯なのだ。そのため,命の綱となるポーションだけは空いている左手で行うようにしているというわけである。


現時点の印象は「手堅いDiablo III Mouse,
パンチの効いたNaga Hex」

 以上,まだ最終的な結論を出せるようなタイミングではないが,それでもあえて現状のまとめっぽく締めるなら,Diablo III Mouseは,その形状からも想像できるとおり,コラボマウスとして,万人が過不足なく使えるよう配慮した,手堅い製品であり,一方のNaga Hexは破天荒で,パンチの効いた製品といったところだ。

 Diablo III Mouseは,初期設定のボタン割り当てが疑問なのと,利き手で握ったときに薬指側で操作するボタンの使い勝手がやはり一段落ちる点は気になるものの,マウス自体にクセはないため,日常使用にも堪えそう。一方,Naga Hexはとにかくボタンの位置を把握するまでが大変で,ここで心が折れる人もいるのでないかと思われるが,慣れてしまえば快適だ。両製品では向いている方向が違うというのが,適切な説明かもしれない。

 

なお,現在筆者は2製品を交互に使い込んでいるので,詳細なレビューは追って掲載するつもりだ。

 

 

 

 

>>http://www.4gamer.net/games/008/G000817/20120525076/

 

 

 

Diablo III  RMT